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イーハトーブ新聞

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イーハトーブ新聞 2004 vol. 1

出光イーハトーブトライアル大会通信
MFJエンジョイ会員制度に賛同せず戻る

 いきなりモータースポーツの根幹にかかわる大事な話題からはじめよう。ほとんどの皆さんはすでにご存知のように、MFJは今年から承認競技への参加者に年間3000円の会費が必要なエンジョイ会員という制度を実施した。つまり承認競技だった「出光イーハトーブトライアル」に参加するにはエンジョイ会員である必要があり、そのためには全員が年間3000円の会費をMFJに払わなくてはならないことになる。これは保険会社が引き受けたがらないレース中の事故に対する補償を、MFJ共済から支払うために分母を拡大するための政策である。そのこと自体は悪くないのだが、問題は突然3000円払わされても、補償の内容が従来より低くなり、死亡時見舞金2000万円が1500万円に減額され、入院補償も一日2000円から、後遺症が残る重度の障害に対する一時見舞金だけになったことだ。つまり、年に一度、イーハトーブだけに参加するようなライダーに、決して十分とは思えない内容に対して3000円の負担増を迫るのは、主催者としても忍びないので、このさい承認競技をはずれることにしたのだ。

イーハトーブは独自の保険で参加料据え置き!戻る

 当然のことながら、今回から承認競技大会ではないイーハトーブトライアルに参加するために、MFJエンジョイ会員である必要はない。しかし、セクション内でのケガ、死亡になんらかの補償はあったほうがもちろんいい。そこでMFJ共済より保険料と保険内容のバランスが妥当と思われるセクション内用傷害保険をさんざん探し続けた結果、たどりついたギリギリの結論は、一人1500円プラス、移動中500円で合計2000円というものだった。ちなみに補償内容は…死亡時47万4千円、後遺障害1万~47万4千円、入院一日700円、通院一日450円。(コース移動中は従来通りの保険が付帯)
 このセクション内傷害保険のために、昨年までにくらべて一人当たりの保険料が約1000円アップすることになる。しかし、イーハトーブトライアルとしては、このさい参加料金は据え置きでがんばってみることにしたのである。

そのためオッペルはやむやく廃止に戻る

 前の項目で説明したように、保険料負担はこれまでにくらべ一人あたり約1000円増える。それを実行団側で負担するためにどうしてもいっそうの開催コスト削減を図る必要があり、いろいろ検討した結果、オッペルの廃止が決まった。昨年の開催日が文字通り8月最終日にあたったため、クラシックに参加できないライダーが多数いることを想定して、いわば土曜日だけのクラシックともいうべき「オッペル」を新設した。新しいクラスはコース設定の下見から始まり、草刈り、セクション設定、ゼッケン代、運営スタッフ人件費など、人手と費用がかかる。その割りに「オッペル」には参加者が集まらなかったこともあり、どこかで費用を削減する必要に迫られた今回、やむなく廃止することにしたのだ。本来はもう少し様子を見たかったのだが、これも致し方ないことではある。

ヒームカも今年が最後になるかも?戻る

 実はまだ未定だが、来年の大会ではひょっとすると「ヒームカ」も無くなるかもしれない。開催コスト削減に関して、今年できるかぎりの努力をして、それでも成果が十分ではない場合には「オッペル」と同じように参加人数が伸びない「ヒームカ」廃止も、大会を維持するためにはやむを得ない状況なのだ。そして、もうひとつの理由は、“乗れる実行団員”が減り続けているため、開催に支障をきたすところまで来たためでもある。ともかく、今年が最後になるかも知れないヒームカに、まわりの人も誘って出てみる?

実行団員という参加のかたちもあるんだよ戻る

 “乗れる実行団員”が減り続けているいまの状況のままでは、おそらく三十五回大会あたりで開催がむずかしくなりそうだというのが団員の実感だ。でも、そんな状況にも2、3年前から光が差し込んでいる。それは常連参加者だったライダーが実行団員として参加してくれるようになっているからだ。たとえばこの数年、長期休暇をとって小田原からやってきてくれる田辺さん、仙台から参加の永山さんなどは、新参者(?)とは思えないたのもしさで大活躍してくれている。それもそのはず、参加者として何度も通ったコースはしっかり覚えているし、どこに行っても確実に戻ってくるだけの信頼性の高さもあるからだ。滞在先は、知り合いのところや、キャンプ生活など、それぞれの方法で岩手の素晴らしさを味わう夏休みにしているところがエライ!
 でも、これが実行団の伝統で、もう二十年も兵庫から来ている岸本君、富山の松本さん、愛知の兵道さん、筒井さん、小久保君、神奈川の田代君、埼玉の重光君、おなじく埼玉の嘉数夫妻、宮城の塩田夫妻など、どういうわけか遠方からやってくる頼もしい実行団員が多い。さて、こんな魅力的(?)な仲間たちに、今回からアナタも加わってみませんか? 連絡は事務局・斉藤まで。

二十八年目にして初の夏季特別講習会開催戻る

 イーハトーブトライアルを開催し続けていると、二十八年前とはライダー気質がほんとうに変わって、少しでもうまくなりたい…と思わない人が増えたと感じる。それが悪いとはいわないが、本当にトライアルを長く安全に楽しむためには、やはり最低限の基本テクニックは身についているほうがいい。というわけで夏季特別講習会と銘打った初のスクール開催が決定。これは今年の大会の傾向と対策がハッキリわかる親切な内容だ。
 じつは一部のライダーからは開催希望が前々からあったのだが、ノーストップルールに沿った実戦的テクニックを普及する観点からも、あるいはスポーツとしてのイーハトーブトライアルのレベルを維持するためにもスクール開催は必要と判断した。
 毎回、停止を即5点にしない、いいかげんな採点が報告されているが、スポーツの面白さはルールを守ることで実現するのだから、とにかくセクション内では止まらない=5点を取らないライディング・テクニックを重点的に覚えてもらうためのスクールでもある。二十名限定で、ペンションに一泊してみっちりと時間をかけ、ライディングのコツをやさしく学べるので、本番ではスコアが大幅にアップ間違いなし。スクールこそは、バイクにどんなスペシャルパーツを取り付けるよりも有効なチューニング法なのだ!

FTJポイント制には参加せず戻る

 全国のツーリングトライアルをリンクした年間ポイントランキングをつけて、ツートラ参加の楽しみを増やそうという趣旨でFTJ(ツートラ主催者会議)が呼びかけたものだが、岩手の美しさと、人々とのふれあいを楽しむスポーツ観光としてのイーハトーブトライアルとは、趣旨が合わないので今後とも不参加とする。本当の楽しみのためにまずは、お互いの採点をキチンとしよう!

デモは高校生の高橋由君がデビュー戻る

 イーハトーブトライアルの期間中、コース上の町村ではすっかり人気者となった成田兄弟と渋谷勲君によるデモンストレーション・ライディングだが、昨年の大会前から成田兄弟が引退の意向を伝えてきていたため、今回からは規模を縮小して地元・西根町の高校生、高橋由(ゆう)君に引き継いでもらうことになった。昨年もホンの少しだけ四十度公園でそのスーパーテクニックの片鱗を披露してくれたが、まだ高校生だけに今後の成長が楽しみである。今回は土曜日の普代浜、日曜日の平井賀海岸、北緯四十度公園の三箇所を予定。

トロフィーに代わり、岩手の地場産品を賞品に戻る

 例の保険料問題に由来するコスト削減と、岩手のスポーツ観光を同時に実現させる案としてこれまでBP(ベストパフォーマンス=一位の事!)、RU(ラナーアップ=二位の事)に贈呈していたトロフィーに代わって岩手の地場産品を賞品にすることになった。たとえばシイタケとか、ワカメなど、各町村から名産品を選んでお送りすることになるので、案外、家族からはトロフィーよりも喜ばれるかも。そのかわりと言ってはなんだが、BP、RUの証としてはちゃんと賞状もお送りするので額に入れて飾ってね。

地元のみなさんのおかげを忘れないで!戻る

 おかげさまで二十八回目のイーハトーブトライアルだが、なんといっても地元の皆さんのおかげでここまで続けて来られたことを、お互いに忘れないようにしたいものだ。たとえば行く先々で素晴らしいセクションやコースに感動するたびに、「ああ、ここを走らせてくれた人のおかげだなー」と、ちょっとでも思ってくれれば嬉しい。そこを通らせてもらえなければ、イーハトーブトライアルは成立しないのだから、どれほどありがたいことかがわかるはず。(だから大会以外では勝手に走らないでね)そして、往々にして道端で腰をおろして通り過ぎるバイクに手を振ってくれるおじいちゃんが地主だったりするから、とにかく行く先々で会う人にはみんな「おかげさまです」という気持ちで挨拶(軽く会釈だけでもいいから!)していこうね。

にかくバイクの整備に万全を!戻る

 毎年、遠くから岩手までやってきながら、イーハトーブのイぐらいの距離を走ったところでリタイヤする人がいる。そのほとんどはマシンの整備不良が原因だ。整備不良といっても、あきらかにネジが緩んでいるとか、油が乾いているとかじゃない。たとえばラジエターの冷却液を何年間も交換しないままやってくるとか、フロントフォークのオイルシールからオイルがにじんでいる状態のままやってくるとか、ふだんなら特に問題と思えないところが、フルパワーで長距離を走る状況では一気に故障となるのだ!ちょっとでも心配な点があれば、信頼のおけるショップで見てもらうなど、マシン整備に自信がない人ならなおさらプロのチカラにおすがりしたほうがいい。イーハトーブ参加前の整備にお金をケチると、結局はすごく高くつくのだという考え方をしようね。

万澤安央

事務局から戻る

 今年も始まりましたね!
 冒頭から承認問題、保険やら、予算やら、大会ロゴやら色々変化はありましたが、やっと開催準備に掛かれます。ここ数年参加ライダーは減って来ていますが、大会の質は下がっていないと思います。今年で事務局を仰せつかって六年目ですが、初心に帰ってがんばりますので宜しくお願いします。

お知らせ
ヒームカ参加選手の羅賀荘宿泊予約は今年から各自の手配となります。お間違えのないように早めに予約を入れてください。

さいとう@事務局

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