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イーハトーブ新聞

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イーハトーブ新聞 2002 vol. 2

出光イーハトーブトライアル大会通信
二日目のクラシックコースがすごい!戻る

 クラシック二日目の昼食前、これまでも長い山道プラス林道があったが、今年はそれがさらに徹底した山道ばかりで、昼食場所の平庭まで出られるようになった。つまり、これまで林道で通っていた部分を、約10キロのまったく新しい山道コースが山の尾根を貫いたのだ。(区間所要時間約1時間)6月に出来上がったコースを家村団長と試走したが、いや、その素晴らしいのなんのって! 幅1メートルほどの、ちょうどいい具合に草や枝を刈られたコースは、古い牛追い道で、地図上に点線はあるものの実際には足を踏み入れることもできなかった幻の道。それがまるで山の中にいきなりハイウェイが開通したかのような快適さ! キャンバー走行となる部分は道ぶしんしてあるし、倒木や岩石地帯を乗り越える醍醐味もところどころちゃんと残してある(さすがにわかってるね!)から、決してやさしすぎてつまらない、ということはない。しかも、これまでの林道コースよりかなり距離も短縮しているので、省燃費と林道での事故防止にも貢献している。ただし、故障やケガで動けなくなったら、仲間同士で助け合って出てくるしかないので、マシンは完全整備して、3人が見える範囲で走るほうがいい。(携帯電話は一部で通じるが…)

コースができるまでのいきさつ戻る

 ところで、こんなコースをなぜ山の中に作ることが出来たのか? じつは森林管理署(元営林署)と山形村の全面的な協力で、昔の牛追い道をイーハトーブトライアルのコースとして復活すると同時に、山形村の歴史と自然を探訪する遊歩道としての維持管理費用と役割を、イーハトーブトライアルが分担したのである。
 繁殖力の高い岩手の森は、牛が通らなくなったらたちまち木や草が多い茂って、道は使えなくなる。つまり、実行団員とクラシックライダーたちが牛の代わりをすることで、歴史的な牛追い道が維持できるようにしたのだ。

コースなぞり厳禁の理由戻る

 イーハトーブトライアルの他の山道コースと同様、このコースもバイクの立ち入りは厳禁されるの。そもそも遊歩道なので、くれぐれも大会当日以外の走行はしないように。前にも書いたが、このことは大会の存続にかかわる重大事なので、固く守ってもらいたい。草刈、道ぶしんなど、山道コース整備にかかる経費は、大会参加費から出ているのに、いわゆるコースなぞりはタダ走りなので、ますますけしからん! 走りたいなら大会に参加するべきだし、どうしても大会以外で走りたいならイーハトーブトライアル実行団員になれば、イヤというほど走らせてあげるから、いつでも団員に志願しなさい。
 というわけで、あらためて森林管理署と山形村に感謝!ありがとうございます!!

ネリ・ブドリの新コースとセクション戻る

 前にも書いたように、地元の方から昨年大会中に苦情が出た参加者のマナーの悪さについて、思い当たる参加者はしっかり心を入れ替えてもらうと同時に、実行団としても対策の手を打った。
 それが新しいコース、大尺山林道である。スタート直後からいっさい国道に出ないで、最初の給油ポイント、出光荒屋新町SS(小山田商店)にいたる約30キロの林道で、右手にはずっと七時雨山や、良く晴れた日には岩手山もくっきり見える。走行距離は約15キロぐらい増えるので、そのぶん時間もかかる。途中に新セクションもあるので、着いたらすばやく下見をすませ、終わったらすぐに出発・・・というテキパキした走りをしていかないと、バックマーカーに追い越されて失格になりかねない。ネリ・ブドリはこれまでよりテキパキ進行して行く必要があることをいまから意識しておこう。

イリスからのメッセージ戻る

 昨年の大会特別ゲスト、イリス・クラマーさんからイーハトーブトライアル参加者のみなさんにメッセージが届いている。本来、大会パンフに載せるためのものだが、一足早く読んでもらうことにしよう。
 「イーハトーブトライアルライダーのみなさん、こんにちは!
 このあいだ、私は昨年夏の素晴らしかった日本のトライアルのことを考えていたところです。今年の参加者の皆さんも、私たちが昨年楽しんだように、太平洋までの180kmの森の道を楽しんできてください。
 できれば、来年またイーハトーブトライアルに行きたいものです。あれは私にとってだけでなく、父にとっても素晴らしい経験だったのです。だって、ドイツにはあんなに長い距離、森を走れる良いトライアルはないのですから。
 母にとっても、マンザワさんに海までの往復の道のりを乗せていただいて、トライアルのほぼすべてを間近で見られたのは素晴らしいことでした。いつもの母はパドックで待機して私たちのトラブルに備えているので、トライアルのすべてを見ることはできなかったのです。
 どうか、あの完璧に整備されたガスガスを私たちに提供して下さった(株)アローの萩原社長によろしくお伝えください。そして、安比のペンション・サンダーパパのみなさんにも。
 そして重要なことは、すべての参加者ライダーのみなさんが、昨年の私たちのように良い天気に恵まれて心から楽しんでもらえるように、よろしくお伝えください。
 みなさんのご多幸を祈って… イリスより

イリスとパパに見習おう!戻る

 昨年のゲスト、ヨーロッパ女性トライアルチャンピオンのイリス・クラマーさん(20)と、父親のウィリー・クラマーさん(47)の見事な走りと成績はいまでも僕たちの脳裏に焼きついている。
 とはいっても、その見事さはクラシックライダーの一部しか見ていないはずなので、ここでもういちどおさらいをしておこう。

  • 前の晩は早く寝るなど、トライアルに対する姿勢がすべて真剣である
  • セクションの下見はベストラインを見つけることに集中する
  • 走りはベストラインをイメージどおりにたどることに集中する
  • 採点は明快そのもの。瞬時でも前進が止まったら即座に5点にする
  • 走り終えたらすぐに次のセクションに向かう。
  • わずかな停止時間でもマシンのチェックを行う
  • 見通しの良いコースでは風のように爽やかなスピードだが、人家のあるところや、見通しのきかない場所ではちゃんと速度を落として、他人を驚かさないようにメリハリのきいた走り方をする
  • 地元の人々に笑顔で接し、大会の印象を高めることを忘れない

 ・・・というわけで、イリスとパパはすべてがイーハトーブトライアルの模範となる素晴らしいライダー精神の持ち主だったことがいまさらながらよくわかる。今回からは参加者全員がこのようなライダーとなって、気分爽快なイーハトーブトライアルにしようではないか。

こんな楽しみ知ってるかい?戻る

 イーハトーブトライアルがスポーツ観光を名乗るようになってから、積極的に岩手を楽しむ人たちが増えているが、今回はこんな楽しみを紹介しておこう。

八幡平で卵ゆで…

 八幡平はどこを見ても雄大な景色が素晴らしい。その八幡平頂上から左折(万おすすめの、露天が気持ちいい松川温泉方面)に樹海ラインを下ってまもなくの藤七温泉をすぎて約一キロの左手道路下に惜しげもなく湧き出ている「太古の息吹」と名づけられた98度の源泉で卵をゆでると面白い。(駐車場あり)たまごと、それを入れて木の枝にかけて吊るせるようにネット(ナイロンでもOK)の準備が必要。わずか8分で半熟、15分で固ゆで卵がいくらでもできる。岩手らしいワイルドな遊びだ。食事するなら八幡平ロイヤルホテル12階のレストランのランチ(1500円~)が無難。目の前に広がる岩手山の雄姿を見ながら気分爽快な食事ができる。

ニュージーランドに行ってみない?戻る

 5月「自然山通信」を見ていたら、ニュージーランドでペンションを経営する野口さんという方が、トライアルライダーが楽しめる場所があるのできませんかという内容の投稿記事があった。読んでいるうちに元チャンピオンのステファン・オリバーが指導…というあたりで「あれ、この人会ったことあるぞ!」と気づき、ステファン宛の手紙をそえて野口さんにメール。すぐに「ステファン興奮!」と返信メール。翌日にはステファン本人から、なんとバイクをはさんで彼と立ち話している19年前の写真3枚と、ボクの古い名刺のコピーがメールで送られてきた! そのあとメールのやりとりで、日本人が面白いと思えるようなオプションもいっぱいアドバイスしておいた。というわけで、SSDTにもファーストクラスで完走したことのある、まじめなトライアルチャンプ、ステファンがガイドするニュージーランドツアーはきっと面白くなるぞ。
 野口さんの「さくらペンション」http://homepages.paradise.net.nz/fumionog (日本語案内あり)も見たところ素晴らしくきれいだ。出来ればボクも行ってみたいと思っているし、ステファンも「イーハトーブトライアルに出て見たい」と言っている。

暑い都会がウソのよう!戻る

 この新聞を書いている7月上旬は、連日「東京、33度を越える気温。熊谷は35度」なんてニュースが伝えているが、岩手県・安代町ではそんな日でも27度か8度ぐらいで爽やか。夜は18度ぐらいだから、標高の高い安比や七時雨山荘付近だともっと下がるので半そででは肌寒いくらい。というわけで、都会を出てくるときには想像することすらむずかしいだろうけど、気候的に岩手は別世界だということをお忘れなく! 8月末には朝晩の気温が15度ぐらいに下がるので、フリースを持ってくるほうがいい。

もう自転車積んだ?戻る

 クラシックスタート前に、七時雨山荘から自転車で約4キロ離れた第一セクションまでの見送りツアーを試しにやってみる。事前申し込みなどはいらないので、自転車だけもってきて。ママチャリでも電動アシスト付でも何でもOK。コースは中間がもっとも低いので、行きも帰りも下って上って…という形になる。ペースは自由なので、無理なく走って楽しい時間を過ごそう!

観戦バスツアーは楽しいぞ!戻る

 やっぱり全行程を見て見たいという家族や関係者のために企画されたのが観戦バスツアー。クラシックのセクションのうちバスでも寄れる場所で観戦できるようにしてある。帰り道は時間の関係で平井賀海岸でのデモンストレーションを見たあとは国道を七時雨に戻るが、途中で道の駅に寄るなど、弾力的な運行を約束してくれているので、きっと楽しめる旅になることうけあいだ。羅賀荘に泊まってあの距離を追っかけできて、22,000円(12才未満19,000円)は非常に良心的な価格設定だといえる。8月16日(金)以前でも24名の定員になれば締め切るのですぐに申し込もう!
申し込み:(株)岩手県北観光 電話019-622-2111

「しののめ」のうまさとありがたさ!戻る

 前にも紹介したし、毎回広告をいただいているので知っている人も多いと思うが、岩手町の銘菓、「東雲(しののめ)」の中島社長(BMWのライダーでもある)が、今回のクラシック・ヒームカ参加者に「しののめ」を一個づつプレゼントしてくださることになった。(当日は七時雨山荘前でも販売する)
 「岩手にこんなに上品なうまさのお菓子があったとは…!」と、甘いもの好きのボクは十数年前に初めて食べたときに感激したものだ。中身はもち米とゴマとクルミだけで、しっとりとした歯ごたえの「しののめ」を噛み締めると、穏やかな甘さと自然な味が口の中に広がって、じつに高級な大人の味覚である。これをポケットに忍ばせて、「腹減ったー」というときにジンワリと味わってごらんよ。もうたまらないうまさだよ! もちろん、お土産に最高だから、持ち帰ってだれかを喜ばせてあげて!

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