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イーハトーブ新聞

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イーハトーブ新聞 2001 vol. 3

出光イーハトーブトライアル大会通信
君はイリスにトライアル精神を学んだか?!戻る

 25周年記念大会にイリス・クラマーさんを呼ぶというアイデアは、2年前から持っていた。当時まだイリスが18歳だったが、ものすごくうまいとは聞いていた。そして今年、イリスは20歳になり、岩手にやってきた。
 大会の前日、アッピのペンションで初めてイリスを見たときの印象は、なんとなくパパやママに甘える感じで、へそだしTシャツの、どこにでもいそうな観光客という感じだった。ところが、ガスガスにまたがってライディングを始めると、表情はきりりと引き締まり、すらりと背の高い体は無駄な動きをまったく見せず、大きなアクションでも頭の位置がいつも安定している。これは本当にバランス感覚のいいライダーの証拠だ。たまに失敗すると自分が許せないというように顔をしかめ、もう一度やって成功するとこれでよしという顔つきになり、相当な負けず嫌いが表情でよくわかる。着替える前にショートパンツでいたとき、膝に大袈裟なサポーターを締めているので、「痛むのか?」と聞くと「もう大丈夫」と答えたが、靭帯を傷めているらしい。が、そんなことはいっさい言い訳のタネにしないところにもドイツ娘のド根性が出ている。
 大会当日はママを乗せて車で走ったので、限られたセクションでしかイリスの走りを見ることはできなかったが、ともかくその走りは素晴らしいの一語につきる。まず、ラインの読みが慎重だ。いうまでもなくトライアルは下見が重要だ。イリスはバランスまかせでクリーンしているわけではなく、いつもベストなラインをたどる心がけがあってのクリーンであることを見習ってほしい。いいかげんな下見で失敗を繰り返しているライダーには、ほんとに爪のアカを煎じて飲ませたいくらいだ。
 そして、必要なぶんだけパワーを使う正確なアクセルコントロール。不必要に開けすぎることは決してなく、それでいて普代浜ヒルクライムのようにパワーとスピードが必要なところは迷わず4速全開で飛ぶようにクリーンする。観客の多い安家元村の人工セクションも大きな丸太の山を苦も無くクリーン。長丁場の疲れがでてくるさんだいなべのロックセクションも、多くのライダーが5点を取っていたのにベストラインを読んで見事にクリーン。イリスの集中力の高さが光っている場面だった。大観衆の見守る北緯40度公園ヒルクライムも軽々とクリーンして喝采を浴び、このセクションは楽しいと笑顔を見せた。
 また、コース上で止まる機会があると、すぐさまチェーンの張りを見て、グリスをスプレーし、マシン全体のコンディションをチェックする。
 そして、コース移動もメリハリの効いた走りで、つねに対向車がくる可能性がある舗装路や林道ではむやみに飛ばすことなく、完全な山道にはいると風のように速く、ついていくのが大変だったと案内役の米沢君が感心していた。
 そして、特別ゲストで賞典外とはいえ、総合順位では昨年の優勝者、柏栁君にわずか1点差で3位となっていたのは見事としかいいようがない。なお、総合1位相当はなんと46歳のパパだった!まさにドイツのトライアル父娘に脱帽である。パパは、20年ほど前にマイコ(今は無きドイツ車)やホンダの500ccモトクロスライダーだったというから、元プロライダーだ。ちなみにパパの仕事は自動車整備、イリスはその工場のカウンターで仕事をしているというからいまは二人ともアマチュアなのである。
 というわけで、「遊ぶときぐらい真剣にやれ!」といつも言っている成田副会長も感心しっぱなしの、まさにトライアル精神の手本をイリスは僕らに示してくれた。ダンケシェーン(ありがとう)イリス、これでイーハトーブトライアルにも、立派なトライアル精神の持ち主が増えると思うよ。

ネリ・ブドリが存亡の危機!!戻る

 今年の大会二日目、クラシックのコースをイリスのママをのせて葛巻町の山道を移動中、携帯電話が鳴った。実行団員からの連絡かと思いきや、いきなり約20分間どなられた。はじめはなんのことかわからなかったが、良く聞いてみると安代町の住民からで、「参加者の走り方が暴走行為そのもので、危険極まりない。農道で何度も衝突しそうになった」というものだった。とにかくママを乗せているので終わるまで待ってもらうことにして、七時雨山荘に着くや大会終了を見届ける間もなく先方の指定場所にネリ・ブドリ関係者と3人で行った。
 その方はまだ怒りが納まらないという様子で自分がいかに危ない目にあったか、そして参加者の走りが住民のひんしゅくを買っているかを話してくれた。先方の言い分はもっともだし、反論など何もないので、ほとんど黙って1時間20分聞いて、次回に向けていくつかの改善案を約束して別れた。
 いうまでもないが、イーハトーブトライアルに貸し切りのコースはどこにもない。まして一般車両はどんな山道にでも入ってくる現実がある以上、見えない場所ではいつでも止まれる速度に落とすだけでなく、相手に恐怖感をあたえることのないように会釈をしてすれちがうなど、「お庭を走らせて頂いている」という気持ちを絶対に忘れないでもらいたい。浮かれた気分であろうがなかろうが、不注意の結果が住民の方に被害が及んだら、たった一回の事故でもこの大会はもう存続できないのだ。
 実行団としては、大会の存続を最優先にすべてのことがらを判断するから、来年以降、ますます「注文の多いトライアル」になることをいまから覚悟してもらいたい。それでもこちらは開催させてもらえるだけありがたいし、参加者にとっては参加できるだけありがたい・・・と思える人だけが参加してくれれば十分だ。規則書にも「単なる参加者の意識ではなく、イーハトーブトライアルの存続に協力するつもりでご出場下さい」と、規則書6ページに書いてあるのをもう一度見てもらいたい。もう一言つけ加えるなら、イリスとパパは規則書を読まなくても、きちんと速度を落とすべき場所では落としていたのだから、規則以前にトライアルライダーとしての常識なのだ。わかったかな?

TY125Fの扱いについて抗議が来た!戻る

 大会終了後、事務局からメールが転送されてきた。かいつまんでいうと「悪く言えばトラ車風でっち上げバイクで参加し、しかも入賞するというのはどういうことか」とかなり強い調子で書いてあった。つまりトライアル車に限ると規則にうたっているのに、おかしいじゃないかというわけだ。結論から言えば木村治男さん、成田匠さんがTY125Fでイーハトーブに参加し、その可能性の高さを証明するパフォーマンスを見せてくれることは、イーハトーブトライアルの存続にとってプラスになるだけでなく、日本のトライアル界にとっても大きなプラスになると判断したからだ。ついでに言えば、僕の見解ではTY125Fは改造車ではなく、トライアル車そのものであり、改造車につきまとう重さやエンジン性格の悪さによるケガの心配もなく、乗り手も超一流なのでイーハトーブトライアルにとってマイナス材料は何もないと判断した結果の参加受理だった。つまり良く言えば「希望を運んでくる新しいトラ車」だと受け止めているのだ。ヤマハに肩入れしているわけではないが、「セロー以下の価格で発売したい・・・」と情熱を注ぎ込んで会社を説得している木村治男さんを応援したい。ちなみにメールの主の名は今年、昨年の参加者リストに見当らなかった・・・。

25年間でいちばん嬉しい手紙!戻る

 大会後数日たったある日、うちのポストに知らない名前の人からの封書が届いていた。読んでみるうちに、いいしれぬ感動が僕の体にこみあげてきた。まさに大会を続けてきたのはこのためだったのだ・・・!
 文章がまた素晴らしく、一字一句の無駄もなく気持ちを伝えてあり、最後に次回は実行団員として手伝いたいと書かれてあったのだ。長くなるが、その手紙の全文を読んでもらいたい。

万澤 安央様
ならびにイーハトーブトライアル実行団の皆様

 突然の手紙にて失礼いたします。
 この度は25回大会の開催、お疲れさまでした。
 私は、岩手郡玉山村出身の、現在は仕事で各地を転々としている者です。毎年、イーハトーブトライアルを楽しみにし、見られる際には楽しませて頂いております。今年もいくつかのセクションとデモ走行の観客として、友人と楽しませていただきました。ありがとうございます。
 私にとってイーハトーブトライアルは、大変おおきな意味をもっております。私がバイクに乗るきっかけを作ってくれたイベントですし、私の故郷でもある岩手を改めて認識するきっかけを作ってくれた大会でもあります。
 夏の終わりにバイクにまたがり颯爽と現れるライダーは、子供のころの私にとって憧れでした。そして社会人になり、自分のバイクを持てるようになってからは、岩手に帰省する都度いろいろな所を走るようになりました。ふとバイクを止めて眺める山々や川のせせらぎ、四季を通じて感じる風の薫り、鳥の声、時々現れる動物たちとの出会い、それら全てが自分にとってかけがいのないものであると感じられるようになりました。私は、自分が岩手をそう感じることのできるようになれたのがとても嬉しかったのです。
 そして、そんな感動を25年もの長きに渡り多くの人に感じさせているイーハトーブトライアルは、とても素晴らしいイベントであると思っています。きっと多くの人々が、岩手の美しさを少しでも心に留めていてくださっていると思います。それは岩手を故郷と思う私にとって、誇りでもあります。
 大会を運営されている皆様には、さぞ多くのご苦労があることと思います。いくつかのセクションやデモンストレーションを見させていただいているのですが、いつも多くの方々が頑張っておられる姿をお見かけし、感謝しています。
 また実行団の方以外でも、地元の方なんでしょうが、いろいろ運営に協力されている姿をお見かけします。セクション一つにしても、おそらくは草を刈ったり、障害物を設置したり、地元の方と交渉したりといろいろあるのでしょうね。いつも楽しくみさせていただいている影で、多くの皆様のご苦労があることをいつも実感しております。
 私事ですが、私は現在青森市に勤務しており、また2~3年後にはどこかに転勤していくと思われます。そして、つい最近子供に恵まれたのですが、そうして転勤していく我が子には、産まれ育った故郷というものが無くなってしまいます。ですが私は我が子に、自然の美しい岩手を、人々が暖かい岩手を、「ふるさと」だと教えながら育てようと思っています。そして私が岩手に帰省した際には、息子と魚を釣ったり、バイクの後ろにくくりつけてツーリングをしたり、それこそイーハトーブトライアルを観に行ったり、あわよくば参加できたりしたらいいなと思っています。
 私は、未来の岩手がこのまま美しく、そしてもっと美しくあるよう、微力ながら協力していきたいと思っています。そして、私にとってのイーハトーブがいつまでもイーハトーブであるように、そしてもっと多くのイーハトーブがいっぱいできるように、自分にできることを実行して行きたいと思っています。
 最後になりますが、イーハトーブトライアル大会が今後も多くの人に愛され、いつまでも続いていくことを願っております。また、万澤様と大会を運営去れる皆様のご活躍と健康をお祈りいたします。
 楽しい大会と、そして感動を、ありがとうございました。
 乱文にて、失礼いたしました。
 イーハトーブギャラリー歴25年(?)
 川 崎 修
 追伸 取り立てて何の取り柄もない自分ですが、もしも許されるなら来年のセクション作り等の作業があった際に協力させてください。よろしくお願いします。

 ・・・という内容で、僕は何度もなんども読み返してから成田副会長にファクスした。すぐに電話がかかってきて、成田さんも僕と同じ思いを感じ、その声は心なしか感激にむせんでいるようでもあった。こんなに素晴らしい手紙をもらえるなんて、イーハトーブトライアルを続けてきて良かった・・・!!
 参加者のみなさんも、このような気持ちで大会にきてもらえれば、僕の注文はグンと少なくなるんだけどね。はやくも来年の大会が楽しみになってきたぞ・・・。

実行団員諸君、ほんとうにおつかれさま!戻る

 世代交代の時期に入りつつあるいま、石山団員、大森団員、兵藤団員など、実行団員の息子や娘、その友達などが手伝ってくれる動きも活発になってきた。兵庫の岸本団員、富山の松本団員、埼玉の重光団員など、本当に遠くから毎年やってくる実行団員は何人もいるが、小田原から田辺団員も加わって、ことしはますます善意と熱意が高まった実行団になった気がする。来年はさらにいい人たちがいっぱい実行団員に加わってくれそうだし、本当に楽しみだ。実行団員は楽じゃないけど、そのぶん確実に充足感があるし、だれでもかならず成長してゆくのが端から見ていると良く分かる。キミも来年、考えてみる?

事務局から戻る

 選手の皆さん、本当にお疲れ様でした。皆さんと楽しいひと時を過ごし、今年の記念大会はおかげ様で無事終了しました。参加受理証が遅れたり、名前を間違えた方、その他事務局のドジでご迷惑を掛けた全ての選手の皆さん本当にごめんなさいでした。岩手の自然とイーハトーブの空気に免じて何卒ご容赦ください。来年はもっとミスのない様、がんばります。
 山のような残務整理にかまけて(言い訳がましい(-_-;))掲示板の書き込みが最近出来なくて大変恐縮でした。近況をご報告すれば、リザルトの修正作業がやっと終わり、大会経費の清算と現在格闘中です。これから、大会関係者へのご挨拶、大会プログラム広告の請求書発送、リザルト&賞品の発送作業、報告書の作成などなど・・。事務局のイーハトーブは今まさに佳境です。

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